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トップ>ペット法務/6.ペットの騒音・フン害



  (1)ペットの騒音・フン害等
  付記1:飼い主の留守中に吠える犬は悲観主義犬
  付記2:カラスへの迷惑な餌やり禁止条例成立
  付記3:泉佐野市飼犬フン放置禁止条例成立(2013年11月16日)
  付記4:米国で犬のフン放置犯をDNA鑑定で特定
  (6A)犬による騒音・フン害等の被害判例
  (6B)野良猫・ハト等の被害判例
  (6C)ペット以外の騒音等の被害判例


ペットの鳴き声等がひどすぎて、周辺住民一般が我慢できないほどの異常な騒音を放置しているなど、社会通念上の受忍限度を超える騒音被害に対しては、飼い主に注意しても改善がみられない場合、保健所や役所に相談して都道府県知事による勧告や命令を出してもらうことができます。ペットの騒音に関して、飼い主は「動物が人に迷惑を及ぼすことのないように努めなければならない」(動愛法§7)とされており、争われた場合の受忍限度は、環境基本法の環境基準が適用されて、判例では日中53dB、夜間40dB以下となっています。

飼犬の吠え声に起因する骨折事故(犬は吠えただけで被害者に触れていない)を巡る裁判で、犬が吠えることは一種の有形力の行使であるとした判例があります。
横浜地判平13.1.23は「犬が吠えることを容認することは、犬好きを除く一般人にとっては耐え難いものであって、社会通念上許されるものではなく、飼主には犬がみだりに吠えないように調教すべき注意義務がある」として、飼犬を調教すべき義務に違反したことが過失であり、飼主が損害賠償責任を負うと判示しました。犬の吠え声は90-100dBに至るものもあり、「犬は本来吠えるものだ」と放置する飼主は、犬の保管の過失から派生する被害の損害賠償責任を負わなければなりません。


繁殖業者などのように犬を多数飼っている飼主(多頭飼育といって、10頭以上の犬などを飼っている個人も含む)が「動物の飼養/保管に伴い頻繁に発生する動物の鳴き声その他の音」(動愛法施行規則§12@)により周辺の生活環境を毀損している場合は、「都道府県知事がその事態を除去するために必要な措置をとるべきことを勧告・命令する」(動愛法§25)ことができ、それでも命令に違反する者には50万円以下の罰金(動愛法§46-2)が科せられます。


環境省告示では、「犬の所有者等は、頻繁な鳴き声等の騒音又は糞尿等の放置等により周辺地域の住民の日常生活に著しい支障を及ぼすことのないように努めること」(家庭動物等の飼養及び保管に関する基準)と規定されています。また、都道府県の動物愛護管理条例でも、飼養者の遵守事項として「自己の飼養する動物の鳴き声等により、人に不快の念を生じさせないこと。」(大阪府動物愛護管理条例§3C)と定めており、吠え声で、不快の念を生じさせている飼主に対しては、住民はいつでも保健所や役所に通報できますし、通報を受けた保健所や役所は飼主に注意をしに行くことになっています。従い、飼主としては自分の犬が吠え続けることのないようにしなければなりません。


犬が鳴き続ける等の異常な状態は、犬の運動不足などストレス等で身体に変調をきたしている場合が多く、飼主は飼い方に問題がないか原因を究明する努力をする必要があります。留守中に犬が吠え続けるのは、分離不安障害(「別離不安」障害ともいう)によるとも言われており、その場合は、専門医に診てもらうのがいいでしょう。薬物療法も効果があります。日常生活におけるしつけも大事ですので、訓練所に依頼すると改善するものです。周辺住民が犬の騒音等でノイローゼになるほどの異常な状態を長期間放置すると、受忍限度を超える騒音を放置した不法行為として、周辺住民の被った精神的苦痛等について、損害賠償を請求する訴訟を起こされることもありますし、それでも状況が改善しないようであれば、飼主の管理義務違反として、犬の飼養の差止を請求する訴訟を起こされることもあります。

行政書士は、周辺住民の依頼により損害賠償請求文・ペットの飼養差止請求の文書を作成いたしますが、裁判になると双方にとって膨大な時間・費用がかかりますから、問題が大きくならないうちに、和解文書を作成して穏便に解決する方が現実的です。飼主と話し合いできる状態であれば、簡易裁判所における民事調停の申し立てをすることもできます。



付記1:飼い主の留守中に吠える犬は悲観主義犬
英国の研究チーム(ブリストル大学のマイク・メンドル教授)によれば、犬には楽観的なタイプと悲観的なタイプがあり、その性格は飼主の留守中の行動にも現れる。人間の心理状態は判断に影響を及ぼし、幸せな人は曖昧な状況を楽観的にとらえる傾向があるが、犬にも同様の傾向がみられるという。
24匹の犬に行った実験では、部屋の一方の端にあるボウルには餌が入っており、反対側のボウルには餌が入っていないと覚えさせた。その後、中間にボウルを置くと、楽観的な犬は全速力で走って行ったのに対し、悲観的な犬は躊躇したり走る速度が遅かったりしたという。また、楽観的だと判断された犬は飼主の留守中に落ち着いていることが多いのに対し、悲観的な犬は飼主が帰って来ないのではないかと不安げな様子を見せ、吠えたり悪さをしたりすることが多かったという。



付記2:カラスへの迷惑な餌やり禁止条例成立
大量のカラスによる被害を受け、箕面市で、カラスに継続的に餌をやって周辺に被害を被らせた住民に罰金を科す条例が成立した(2011年7月施行)。カラスが来るのを分かっていながら犬や猫など他の動物に与えた餌を放置する行為も禁止し、市の改善命令に従わないとか、調査を拒んだりすると10万円以下の罰金となる。「カラスによる被害の防止及び生活環境を守る条例」により、鳴き声や糞尿などのカラス被害が出ている場所で繰り返し餌をやることは禁止され、餌の回収が義務づけられる。箕面市は野生のサルが観光客らを相手に大暴れする事態を受け、2010年4月、サルへの餌やり禁止条例を制定したところだった。


付記3:泉佐野市飼犬フン放置禁止条例成立(2013年11月16日)
泉佐野市は2013年10月から、飼犬のフン放置禁止条例違反の過料を5,000円に引き上げたところ、11月15日、犬を散歩中の市内在住の男がフンを放置したのを環境巡視員が発見、この違反者から過料5,000円を徴収した。過料5,000円第一号となる。


付記4:米国で犬のフン放置犯をDNA鑑定で特定
犬の糞の放置に頭を悩ませる米国の共同住宅が、住民に対して飼い犬のDNAサンプル提出を義務付ける制度を導入し話題になっている。敷地内に放置された糞を調べて飼い主を突き止めるのだ。やるべきことをやっている飼主も多いがそうでない人がいて問題になっていた。日本にはほぼ1,200万匹ほどのペット犬がいるが、米国には約7,500万匹の犬が住んでいる。1匹の犬が生産する糞は平均125kg/年、全体で900万トン/年にもなる。米国の統計では50%の飼主が犬を公共の場所で散歩させ、そのうち40%が糞を放置しているというから、1日1回排便するとして毎日1,500万個の落し物があることになり、いくら国土面積が広いとはいえ衛生上大きな問題になっている。

最新鋭の共同住宅では、住民は飼犬のDNA検査を義務付けられそのデータは「PooPrints」(poop=糞)と呼ばれる制度の運営会社BioPet Vet LabのDNA World Pet Registryに登録される。共同住宅の敷地内で放置された糞が見つかると管理人がそのサンプルをBioPet Vet Lab(Knoxville, Tennessee)に送ると、登録されているDNAと照合することにより誰が飼っているどの犬のものかが100%特定できる。DNA登録する作業はpet ID kitという専用キットを入手し、犬のほおの内側を綿棒のようなものでこすって見本を採取し、BioPet Vet Labに郵送すると、間もなくDNA World Pet Registryに登録される。
その後共同住宅の敷地内で放置された糞が見つかった場合、管理人がsample collection kit(見本採取キット)にわずかな見本を取りこの会社に郵送すると、それがどの犬のものかDNA鑑定の結果がDNA World Pet Registryでわかる。具体的な費用はpet ID kit(登録用専用キット)が$29.95(約2,400円)、見本採取キットが$10(約800円)、DNA鑑定費用が$49.95(約4,000円)、他に見本の郵送料がかかるくらいだが、共同住宅の管理人の手間も考慮して代表的なところでは、初期の登録費用$50(約4,000円)、月額維持費$10(約800円)、糞放置犯として特定された場合の罰金最高$500(約4万円)というのが相場のようだ。

ただ、放置犯特定の確率はほぼ100%だから、この制度を導入した共同住宅では敢えて糞を放置する飼主は極端に減るという。放置すれば必ずばれるという飼主の意識が抑止力になるという効果の方が大きいのかもしれない。米北部New Hampshire州の共同住宅(339戸、犬240匹)で、この制度を取り入れてから半年の罰金請求回数実績は約20回だという。240匹の犬で「忘れ物」をするのが月平均3匹とは上出来だろう。所によっては地域社会(community, ここらでいう「町会」)全体でこの制度を導入して大きな効果をあげているという。
日本でもこんなことができれば町中の糞害を減らすことができようものだが、毎回見本採取キットを航空便でアメリカまで送るというのも億劫なことだ。DNA鑑定に明るい人が独立してBioPet Vet Labの日本法人を立ち上げてくれれば我が国でも普及するだろう。一度登録しておけば迷子になった犬が見つかった場合100%飼主の元に戻ってこれるというご利益もある。雷や津波が来てペットと離れ離れになっても首輪につけたDNA World Pet Registryのマークを頼りに再会することができる。
                    → BioPet Vet Lab website
                                  (アミのひとり言2011年7月19日より)

(6A)犬による騒音・フン害等の被害判例

(6A-1) 【東京地判平7.2.1】  276万円
東京都内で賃貸住宅を所有している親子3人が、近隣の居住する親子3人の飼っている犬の吠え声で精神的苦痛の損害をうけたのみならず、賃借人(米国人法律事務所経営者)も途中で契約解除して退去してしまったため、精神的苦痛と賃借人途中契約解除による得べかりし賃料分の損害を被ったとして、          →全文を見る

(6A-2) 【浦和地判平7.6.30】  30万円
JR南浦和駅から300mほどの住宅地(近隣は商業地域)で、闘犬(American Pit Bull Terrier、中型犬)5頭を飼育していた男が、隣地の住宅に居住する女性(63才、認知症の夫も同居)に、吠え声の騒音被害を訴えられた裁判で、           →全文を見る

(6A-3) 【京都地判平3.1.24】  20万円
クリーニング店を経営する夫婦の隣で、German Shepherd犬(体重30-40kg)を飼育している女性が、犬の吠え声による騒音と糞などによる悪臭の被害を訴えられ、 →全文を見る

(6B)野良猫・ハト等の被害判例
(6B-1) 【神戸地判平15.6.11】  416万円
10匹ほどの野良猫に毎日給餌していた夫婦二組の住宅の近くで、居酒屋を経営していた親子が、野良猫の糞尿の悪臭被害を訴えたところ、この夫婦らは逆切れして、室内犬を外に出して吠え続けさせたり(70mH)、大音量のラジカセで音楽を流すなどの嫌がらせを始めた。
                                 →全文を見る
(6B-2) 【大阪地判平22.3.12】  216万円
近所の女性住民が毎日、自宅前でハトの餌やりを続けたため、大量のフンで自宅を汚されたとして、被害者の女性(68才)が、餌やりの差止めと345万円の損害賠償を請求した。
                                →全文を見る
(6B-3) 【東京地判平22.5.13】  204万円
東京都三鷹市の庭付き2階建てのテラスハウス型集合住宅で、プロ棋士元名人加藤一二三(判決時70才)が、最大18匹もの野良猫に継続的にエサを与え、糞尿等による悪臭などの被害を被った同住宅の住民17名が、エサやりの中止と645万円の損害賠償を請求して訴訟を起こした。            →全文を見る

(6B-4) 【神戸地和解平15.9.18】  (転居に同意)
マンション住人男性が約20匹の猫を放し飼いにしていて、その糞尿等で家庭菜園が台無しになったり、猫対策で庭をコンクリート敷きにするなどの出費を余儀なくされた近所の住人達が、猫の飼主とマンションの管理会社に対して、1,250万円の損害賠償を請求した。
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(6C)ペット以外の騒音等の被害判例
(6C-1) 【東京地判平24.3.15】  126万円
マンションの一階に居住する夫婦が、真上の部屋の子供の走り回ったり飛び跳ねたりする騒音に悩まされ、頭痛、ストレス、体調不良になったため、二階の部屋の住人に、所有権乃至人格権に基づく騒音妨害排除請求及び精神的苦痛に対する慰謝料請求を行った。
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(6C-2) 【東京地判平17.12.14】  100万円
地上10階、地下2階建てビルの1階の部屋(68u)を借りてそば料理店を経営する者が、地下1階の部屋(105u)にあるロックバンドのライブハウスから発生する騒音・振動・低周波音等の被害により、料理店の売り上げが減少し閉店に追い込まれたなどとして、
                            →全文を見る
(6C-3) 【京都高和解平23.2.14】  100万円
創業140数年の京都の老舗製菓会社(石田老舗)の工場の窓や排気ダクトから、周囲一帯に漂う甘い匂いや騒音で苦痛を受けたとして、周辺住民らが慰謝料など計約2,100万円の損害賠償を求めて           →全文を見る

(6C-4) 【大阪地判平22.8.24】  100万円
大阪府高槻市の男性(当時72才)が、隣家の女性(当時63才)による布団たたきの騒音によって精神的苦痛を受けたとして、慰謝料を請求した。      →全文を見る

(6C-5) 【東京地判平21.10.29】  60万円
木造住宅の二階に住む住人が、一階に住む大学生(当時18-19才)とその友人が深夜に発する受忍限度を超える騒音によって睡眠障害、適応障害等の病気になり、挙句の果てには転居せざるを得なくなったため、       →全文を見る